トコジラミに刺される人と刺されない人の特徴

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近年、ホテルや宿泊施設でのトコジラミの被害が注目されており、特に旅行や出張が多い人にとっては大きな関心事となっています。

SNSには「蚊に刺されやすい体質だからトコジラミも怖い」と心配する声も。

蚊は特定の人を好んで吸血すると言われていますが、はたしてトコジラミも同様に刺される人や刺されない人は存在するのでしょうか?

当記事ではトコジラミに刺される人の特徴と、刺されない人が実践している予防対策を紹介します。

旅行や出張での宿泊先で快適に過ごすためにも、トコジラミのリスクを理解し、適切な対策を講じることが大切です。効果的な予防対策を学ぶことで、トコジラミの不快な被害を防ぎましょう。

\家庭でできる害虫対策/

目次

トコジラミに刺されない人はいない

まず大前提としてトコジラミに刺されない人はいません。この害虫は選り好みせず、近くにいる人間を襲います。しかしトコジラミに刺されたにも関わらず、その事実に気が付かない人が少なくありません。

そのため一部の人は「自分は刺されない」と誤解していることがありますが、これは正確な認識とは言えません。

トコジラミに刺されるとアレルギー反応によって皮膚が赤く腫れ上がり、強いかゆみの症状が起こります。この反応は個人差が大きく、同じように刺されても人によって症状のあらわれ方が異なります。一部の人では体質や過去に刺された経験の有無によってすぐには症状が出ない場合があります。

このような状況であるため、トコジラミに刺されたことに気がつかなかった人は「自分は刺されない」と誤解しがちなのです。

トコジラミに刺されるとなぜかゆくなる?

トコジラミのかゆみのメカニズム、なぜトコジラミに刺されるとかゆくなるのか図解
トコジラミのかゆみのメカニズム

トコジラミは人間の血を吸う時に血液が凝固しないようにするため、自分の唾液を皮膚に注入します。

この唾液にはタンパク質が含まれており、これがアレルゲンとして作用します。人間の体はこの唾液中のタンパク質を異物と認識し、免疫系が反応を示すことで、かゆみや炎症といった症状があらわれます。

トコジラミに初めて刺された人の場合は、このタンパク質に対する抗体が作られていないため、かゆみや炎症の反応が起こらないことがありますが、何度か刺されるうちにアレルゲンに対する抗体が作られ顕著に反応するようになります。

つまりかゆみが起きている人は過去に何度かトコジラミに刺されている可能性があると言う訳です。

トコジラミに刺される人の特徴

トコジラミに刺される人にはいくつかの共通点があります。もし該当している点があるのならば、しっかりと予防対策をおこなうように気をつけましょう。

トコジラミに刺される人の特徴
  • 旅行や出張が多い
  • 二酸化炭素の排出量が多い
  • 体温が高い
  • 汚れた衣服を放置しがち

旅行や出張が多い

旅行や出張が多い人はトコジラミが発生しやすい環境に身を置くことが多いため、必然的にトコジラミに刺されやすくなります。

都市部や観光地にあるホテルや旅館などは多数の宿泊客が出入りし、様々な地域から客が集まります。このような環境は特にトコジラミも集まりやすく、また拡散しやすい状況になっています。

事前に宿泊施設の情報や口コミなどをチェックしてリスクを軽減するように努めましょう。

二酸化炭素の排出量が多い

人間は呼吸をする際、酸素を取り込んで二酸化炭素を排出しますが、この二酸化炭素がトコジラミの誘引信号となります。

体格の大きい人や運動を頻繁に行う人は多くの二酸化炭素を排出する傾向にあるため、一般の人よりもトコジラミに刺されやすい可能性が高まります。

体温が高い

トコジラミに刺されやすい人の特徴の中で、体温が高いことも重要な要因の一つです。トコジラミは人間の体温から発散される熱を追跡することで、その存在を察知すると言われています。

入浴後や運動後、発熱を伴う病気の際は、体表温度が通常より高くなるため特に注意が必要となります。

汚れた衣服を放置しがち

人間の臭いが染み付いた汚れた衣服がトコジラミを引き寄せる要因の一つであることが、英国シェフィールド大学の実験により明らかにされています。

ホテルや旅館などの宿泊施設で汚れた衣服を床に放置したり、寝具の近くに置いたりすると、トコジラミがその場所に集まる可能性が高まります。

宿泊施設での滞在時にトコジラミが衣服に付着し、その後自宅に持ち帰ることで家庭内にトコジラミの被害が広がるケースが少なくありません。

アルコールを飲む人は刺されやすい?刺されにくい?

一般的にアルコールを摂取すると体温が上昇し、呼吸が荒くなるため、二酸化炭素の排出量が増加します。

同じ吸血昆虫である蚊の場合は「アルコールを飲むと刺されやすくなる」とも言われていますが、トコジラミの場合はどうでしょうか?

米国ネブラスカ大学のRalph B Narainの実験では、アルコールがトコジラミに与える影響について興味深い結果が明らかにされました。実験ではアルコールを含まない血液とアルコール濃度が高い血液を吸ったトコジラミの成長と繁殖能力が比較されました。

結果としてアルコールを含まない血液を摂取したトコジラミは体重が増加し、平均して一匹あたり44個の卵を産むことが観察されました。これに対してアルコール濃度が高い血液を吸ったトコジラミは、成長が抑制されて、産んだ卵の数も平均12個に減少しました。

つまり、アルコールを含む血液はトコジラミの成長と繁殖に悪影響を与えるため、生存本能からアルコールを摂取した人の血液を避けることが考えられます。

とはいっても、アルコールを飲んだからといってトコジラミに刺されないというわけではありません。自分は大丈夫と過信することなく、常に予防策を講じることがトコジラミから身を守ることにつながります。

特定の血液型は刺されやすい?刺されにくい?

トコジラミが特定の血液型に特に惹かれるという話は、時折耳にするものですが、この主張には科学的な裏付けが欠けています。

一般的には「A、B、O、AB」という4つの主要な血液型が知られていますが、実際にはこれら以外にも300種類以上の様々な血液型が存在することが知られています。これら多数存在する血液型の中で、トコジラミが特定の血液型を好むという科学的な証拠は見つかっていません。

トコジラミの吸血行動は、血液型よりもむしろ二酸化炭素の排出量や体温など、他の要因によってより強く影響を受けると考えられています。また、トコジラミが人間の血液型を選別する能力を持っているかどうかについても、明確な研究結果は報告されていません。

彼らは無差別に近くの人間をターゲットにする傾向があり、血液型に基づいて獲物を選んでいるとは考えにくいのです。

トコジラミに刺されない人が実践している予防対策

トコジラミに刺されるリスクを最小限に抑えるためには、いくつかの予防対策を実践することが重要です。

特に旅行先や出張先での寝具周辺のチェックは、これらの対策の中でも特に重要です。

トコジラミの予防対策
  • 旅行先や出張先の寝具まわりを入念にチェックする
  • 長袖長ズボンや靴下を着用して寝る
  • 虫除けスプレーを塗ってから寝る
  • 寝具を清潔に保つ

旅行先や出張先の寝具まわりを入念にチェックする

不特定多数が利用するホテルや旅館などでは、チェックインした時点で寝具周辺を入念にチェックしましょう。

トコジラミは光が当たりにくい場所に隠れる習性があるのでマットレスの裏側やベッドフレームの隙間も確認するようにしてください。

長袖長ズボンや靴下を着用して寝る

トコジラミは主に夜間に活動し、人が寝ている隙に吸血します。その際、トコジラミは肌が露出して無防備になった部分を刺してきます。

ですから肌の露出面積を減らすように、長袖や長ズボン、靴下などを着用して寝るとリスクを軽減することができます。

虫除けスプレーを塗ってから寝る

虫除けスプレーに含まれる忌避成分によってトコジラミを遠ざける方法も有効です。ただし、全ての虫除けスプレーがトコジラミに効果的だとは限りません。

有効成分である「ディート」が含まれている虫除けスプレーを選び、持続時間の長いものを選ぶようにしましょう。

自宅の寝具を清潔に保つ

寝具を清潔に保つことは、トコジラミの早期発見や予防対策につながります。掃除機やふとんクリーナーを使えば清掃だけでなくトコジラミの駆除も可能です。

まとめ

トコジラミに刺される人と刺されない人の特徴を理解し、適切な予防対策を講じることで、トコジラミの不快な被害を防ぐことができます。旅行や出張時には、これらの対策を心掛けて、安心して過ごしましょう。

この記事を書いた人

「害虫獣駆除の教科書」編集部

当サイトでは筆者が害虫や害獣に関わってきた知見をもとに、その駆除・予防などに役立つ情報をお届けしています。図解やイラストなども交えてわかりやすく解説することを心がけております。厄介な害虫獣に困っている人に対して、解決の一助となりましたら幸いです。

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