「家にネズミがでた！」突然のことに驚き、思わず近くにあった「キンチョール」でネズミを撃退したことがある人も少なくないでしょう。
スプレーによってネズミは逃げていったはずですが、はたして効果はあったのでしょうか？
今回はネズミへの殺虫剤の効果とネズミ専用のスプレーを紹介します。「もしかしたらどこかで死んでいるかも…」と心配な人はぜひ最後までご覧ください。
ネズミを早く駆除したい人は
ネズミにキンチョールは効果がある？
キンチョールは大日本除虫菊（株）から発売されている殺虫剤のブランドです。
噴霧することで迅速に害虫を駆除し、室内への害虫の侵入を防ぐことができる特徴があります。特に蚊やノミ、ゴキブリなどの害虫に優れた効果を発揮することから、長年に渡り多くの家庭で愛用されています。
しかしキンチョールはあくまで「殺虫剤」であり害虫をターゲットに設計されています。害虫の神経系に作用して効果を発揮しますが、ネズミにはほとんど影響を与えません。
したがって、キンチョールを噴霧した程度ではネズミ駆除する効果はないと言えるでしょう。
ネズミにアースジェットは効果がある？
アースジェットはアース製薬（株）から発売されている殺虫剤です。製品表面には「蚊・ハエ用」と書かれていますが、ゴキブリ、ノミ、トコジラミ、イエダニ、マダニなどの駆除にも優れた効果を発揮します。
扱いやすいトリガーノズルと驚くほどの強力ジェット噴射で、動きが早い害虫にも確実にアプローチし、離れた位置からでも安全に駆除をすることが可能となっています。
アースジェットもキンチョールと同じく「殺虫剤」という区分となります。ジェット噴射によってキンチョールよりも効果がありそうなイメージもありますが、残念ながらネズミへの効果は期待ができません。
ネズミに殺虫剤が効かない理由
現在において、市販されている家庭用殺虫剤は「ピレスロイド系殺虫剤」が90%を占めていると言われており、キンチョールやアースジェットもこれに該当します。
「ピレスロイド」は有効成分の名称で、害虫の体内に入ると神経系に作用して異常興奮や興奮伝導の抑制を引き起こし痙攣や麻痺に陥らせる特徴があります。
害虫には優れた効果を発揮しますが、ほ乳動物にはほとんど毒性を示しません。体内に入っても中枢神経に作用する前に酵素によって分解され、解毒されます。
したがってネズミが噴霧された殺虫成分を吸い込んだとしても、それによって死んでしまう可能性は低いといえます。
キンチョールに含まれる成分の毒性は？
ネズミに効果がないとはいえ、その毒性については気になるところでしょう。
殺虫成分の毒性を調べるにはLD50（半数致死量）が参考になります。このLD50は一定の時間内に特定の生物群の50%を死亡させるのに必要な量を示す値です。
大学病院医療情報ネットワークセンターの資料によれば、ピレスロイド系殺虫剤スプレーの致死量は「商品として、ラット、マウス経口LD50 10ml/kg以上」とあります。
体重が重いクマネズミであったとしても、ノズルを直接口に入れて10秒ほどスプレーしなければ顕著な効果がないという計算です。
このようにありえない使い方をしない限りは、殺虫剤はネズミや人に対しても効果を示すことはありません。
ネズミ専用のスプレーはある？
アース製薬から「ネズミのみはり番 追い出しジェット 420mL」というネズミ専用のスプレーが発売されています。
この商品には殺虫剤のような毒性物質が入っておらず、成分は天然ハッカ油と香料（琉球ハーブタイプ）のみです。
そのため、ネズミを駆除する目的ではなく、ネズミを寄せ付けないための忌避剤として使用する商品となっています。
ネズミが嫌いだと言われているハーブ成分と猫の匂いが配合されており、住み着いたネズミの追い出しや定着防止に効くとされています。
実験によって効果があることは確認されているものの、感受性が乏しいネズミには効果が出にくいので、過度な期待はしないほうがいいかもしれません。
スプレータイプ以外のネズミ忌避剤は？
スプレータイプは特定の対象物に吹き付けるのに適していますが、エリア全体に忌避効果を行き渡らせるのには不向きです。
そこで便利なのが燻煙タイプの忌避剤で、煙になった成分が部屋の隅々にまで広がり効果を発揮します。
アース製薬から発売されている「ネズミ一発退場」は天然ハッカ油や天然琉球ハーブエキス、香料を原料としており、人体には無害で安心して使用することができます。
ただし、スプレータイプ同様に予防策のひとつとして捉え、侵入口をふさいだり食品を放置しないようにしてネズミが定着しないようにする環境作りを重点的におこなってください。
ネズミ駆除は専門業者に依頼
「殺虫剤で撃退した」と思っていても実は駆除効果はなく、ネズミは驚いて逃げてしまっただけだと考えられます。
おそらくは巣に戻って体制を整えてから、再び活動を再開するはず。もしかすると居座ったネズミは繁殖を繰り返し、多くの子ネズミを産んでいるかもしれません。
こうなると、短期間で一気に駆除を行う必要があるため、自分で対処するよりもプロの業者に依頼する方法をおすすめします。
広さや対処する作業内容によって費用は変動しますが、おおよそ5万円〜10万円程度になるはずです。
「自宅のネズミ駆除や点検などはいくらかかるだろうか？」と疑問に思ったならば、プロの駆除業者に相談してみてください。
関東・関西・東海・中四国・九州の害獣駆除ならば「害獣BUZZ」がおすすめです。日本有害鳥獣駆除・防除管理協会に加盟しており「安心・安全・高品質」な施工に取り組んでいる安心の優良業者です。
現地調査や見積もり、出張費などが無料であるため、まずは概算見積もりを依頼してみると良いでしょう。
糞尿による臭いの除去や除菌など、屋根裏や床下に潜り込んでおこなう作業は、素人には難しいものです。
手がつけられないようになる前に、専門家に相談してみることをおすすめします。
＼日本有害鳥獣駆除・防除管理協会加盟／
この記事を書いた人
当サイトでは筆者が害虫や害獣に関わってきた知見をもとに、その駆除・予防などに役立つ情報をお届けしています。図解やイラストなども交えてわかりやすく解説することを心がけております。厄介な害虫獣に困っている人に対して、解決の一助となりましたら幸いです。